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雪輪模様の伊万里焼

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古伊万里染付雪輪秋草文7寸皿


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江戸中期の古伊万里7寸皿です
濃淡の染付で雪輪と秋草を描いています

雪輪文は雪の結晶の形から生まれた文様です。
雪輪文の形は六角形の雪の結晶の輪郭を曲線で繋いだもの。
江戸時代からある模様ですが、雪の結晶が六角形と言うのは
江戸の昔から認識されていたようです。

本来冬の模様ですが、江戸時代の庶民の着物「小袖」には涼しさを演出されるために
夏の着物に描かれたりもしたそうです。


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高台内には焼成時の落ち込みを防ぐために使う針支えの跡が4か所見えます
「大明成化年製」の追銘は中国の明時代の磁器をリスペクトしている証
けっしてコピーなどではありません



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雪輪模様の中には薄が描かれていますね
野山の草花をはぐくみ、秋の実りをもたらすには雪溶け水が欠かせません。
豊かな日本の四季と自然の恵みをもたらす雪は、昔からの吉祥文様なのですね。


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by hayatedani | 2019-06-30 21:23 | 古伊万里 | Trackback | Comments(2)

The design of the cloud

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Imari Ware 19th century The design of the cloud




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19世紀の古伊万里蓋茶碗
意匠は何の模様でしょう

見る人によっては波のようでもあり、唐草の連続模様にも見えます
私は これは雲をイメージしたデザインだと思います

伊万里のデザインは、それを創った200年前の有田の陶工に聞かなければ、本当のところは解らないのですが
見た人が如何様にも解釈できるところが面白いところ


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そしてこちらの蓋茶碗も「雲」というよりも雲海をイメージして描かれているように感じます
濃淡の呉須で雲の表情を表現して、今にも雨が降ってきそうな雲行きです
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雲とか雨を器の意匠にしてしまうというのは、日本独自の感性ではないでしょうか
北斎が浮世絵で雨や風を表現しているように、日本人は昔から自然と共存し、それをArtにしてきました
四季が明確な日本ならではの表現といえるでしょう

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こちらの伊万里は海辺の風景をデザインしたもの
テントのように見えるのは漁網を干している風景です

漁網の下には波しぶきが描かれ、小さく点のように描かれているのは浜千鳥でしょうか
よくもまぁこのような模様を考え付くものです


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紙や布と違って製作から200年経っていても、磁器はほとんど劣化しません
この伊万里の器も、まるで昨日窯出しされたような初々しさ

200年前の有田の陶工達が見たであろう、その姿がそのままここにあるってスゴイ!

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by hayatedani | 2019-05-25 23:03 | Trackback | Comments(2)

色絵流水鯉文6寸皿

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Imari ware / ca.1700s hand-painted the Carp design



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古伊万里色絵流水鯉文6寸皿です
製作年代は1700~1750年 江戸中期の色絵皿です


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菊を模った陽刻の白磁皿に、荒れ狂う流水から顔を出す鯉の姿がユーモラスに描かれています
空には赤絵と黄色、空色、紫色の雲が渦巻き
赤絵で区切った上部には山水が描かれています


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この意匠は、中国の故事「鯉の滝登り」をモチーフにしています。
黄河上流にある竜門の滝と呼ばれる急流を登りきれた鯉は、化して竜になるという
この竜門が登竜門といわれるもので、 立身出世の象徴として盛んに描かれました

日本のこいのぼりも、子供の立身出世を願う、この中国の故事から来ているそうです

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裏の赤絵で描かれた流水模様も手慣れたものです
小さく描かれているのは吉祥文である桃でしょうか


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この6寸皿の意匠
江戸中期の古色ある雰囲気を良く醸し出しています
時代が上がると、伊万里が中国の影響を強く受けていることがわかります

おおよそ270年前に作られたこのお皿
どんな有田の陶工が描いたのでしょうね

21世紀の我が家のリビングに、自分の作った皿が置かれているなど
想像もつかなかったことと思います

大事にしますね
何処かの誰かさん‥‥

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by hayatedani | 2019-04-14 20:58 | 古伊万里 | Trackback | Comments(0)

お正月は色絵から

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お正月最初の投稿は、華やかに古伊万里の色絵茶碗です
古伊万里色絵牡丹唐草文大茶椀
江戸時代中期 元禄(1688年~)から享保(~1736年)年間にかけて焼成された蓋付向付です



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基本的に呉須による染付は、絵付けを区切る罫線のみに使用し
絵付けには染付を一切使っていません
高台周りには赤絵で縁取りした葉模様を緑色と赤絵で描いています


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描かれている牡丹は赤と白
それぞれの華には黄色の小さな花弁のようなものが描かれています

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江戸中期の色絵というと、柿右衛門様式に代表される繊細で余白を生かした構図が有名ですが
こちらは器全体を緑色の蔦と葉、一部紫色の蔦を添えて塗り込み、紅白の華を散らしています

白い牡丹の花弁には丁寧に線描きを施しています

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こちらは赤い牡丹を描いた部分
絵付けはけっして繊細とは言えませんが
器全体に勢いよく描き込まれた絵模様が、この器の見どころ
蓋も含めた球体の「かたまり感」は、言って見ればボタニカルキューブのような感覚
直径13センチ、高さ10センチの大きめの茶碗をさらに大きく見せています

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写真では良くわからないかもしれませんが
この器全体を覆う緑色は、手で触るとその厚みが解るくらいに厚塗りです
艶があり、半透明に焼き上がった緑色絵は、まるで古九谷の青手に使われた緑釉を思い出させます
時代は異なりますが、古九谷様式の五彩手の絵付けを彷彿とさせる、そんな器です

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この意匠は、清の康熙帝時代の赤絵磁器を範としていますが
とにかく、発色が素晴らしい
江戸中期、盛期伊万里色絵の時代が持つ迫力を感じます

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染付の罫線に囲まれた見込みの中にも、しっかり赤い牡丹と黄色の花弁が描かれています
呉須の染付罫線も発色が鮮やかで、後期の黒っぽい染付とは違い呉須も良いものが使われているようです

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年が代わっても増殖中の伊万里蓋茶碗
もう収納先のことは考えないでおくことにしますかね



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by hayatedani | 2019-01-06 22:08 | 古伊万里 | Trackback | Comments(0)

粋な古伊万里

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最近、陶磁器関係の企画展が少なくて、少しフラストレーションが溜まっていて
ネットでいろいろ探していたら、どうやら隣町の市営美術館で古伊万里の企画展が開催されているらしい
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家から車で20分。地下の駐車場にいれて、2階に上がれば美術館に到着です
出し物は「粋な古伊万里」展

初期伊万里もいくつかありましたが、主に江戸中後期の伊万里が多い展示だった
家にあるような古伊万里もいくつか展示品の中に見つけることが出来て、
見ながら「持ってる持ってる!」って
ちょっと嬉しい

都内の美術館の企画展では、鍋島や柿右衛門、古九谷などが表に出て
江戸後期の伊万里など展示の中心になりえないのですが、
私にとっては身近な江戸後期伊万里の企画展は、親近感があって
なかなか良いものです
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ここからは最近買いためた伊万里のご紹介

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秋草が繊細に描かれた、江戸中期の蓋茶碗
不思議な網目模様の丸いものが秋草の隣に書かれていますが
これはなんでしょうか

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江戸中期の染付は、盛期伊万里に比べれば大したことないのですが
丁寧な絵付けに好感が持てます


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江戸後期の松竹梅が描かれた蓋茶碗です

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この茶碗の面白いところは、部分的に描かれた市松模様です
基本的には松竹梅模様なのですが、この市松模様は何か天幕のようなものを表現しているのでしょうか


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見込みには「宣徳年製」の追銘があります


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広東椀形の蓋茶碗です
絵柄は楽器の「つつみ」です
ちょっと大きめの器です
直径13センチ
鷹さ9センチ程
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こちらも江戸時代後期の蓋茶碗
氷裂模様に梅花が描かれています
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時代が古いと、氷裂模様ももっと繊細に描かれていますが
江戸後期の絵付けダミの塗り方からして少々荒っぽい

でも、これがなかなか良い味を出しています

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我家の伊万里も、いよいよ収納場所が無くなりつつあります
今日見た美術館の展示みたいに、綺麗に並べればもっと映えるのにと思うのですが

美術館から帰って、我が家の蓋茶碗に積もった埃を拭き取りました
見てくれる人は私以外にはいませんが、伊万里も少し嬉しそうに見えます

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by hayatedani | 2018-11-23 22:31 | 美術館 | Trackback | Comments(0)

染付雲竜文蓋茶碗

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今回も古伊万里の蓋茶碗をご紹介
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染付雲竜文蓋茶碗
江戸時代後期に肥前有田で創られた器です

江戸時代後期に流行った広東椀形の蓋茶碗
直径13センチ
高さは9センチほどの少し大きな茶碗です

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雲の間を飛翔する「龍」を文様化したものです。
龍は、鳳凰とともに古代中国で作り出された想像上の動物で、
鳳凰、麟、亀とともに四霊の一つとして数えられ全ての生き物の祖とされているそうです。


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この意匠の面白いところは、雲の描き方にあります

古伊万里の器に描かれる雲竜の雲の描き方は、ふつうもっとグラデーションを意識した
ボカシをを入れた書き方がほとんどですが
この器の雲の意匠は、何か呉須をたたくように描かれていて
まるで現代のステンシル用の筆を使って荒い点描で描いているように見えます

ちょっと見、飛龍がどこにいるのか探してしまいますが

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椀の見込みにも、線描きした竜が描かれています
口縁の内側にも簡略化された雨竜の模様が

少し灰が降った跡が見えますね
登り窯で薪で焼成された証です

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雑然とした描き方ですが、器全体で見てみると荒ぶれた雲海の中を飛翔する龍の姿が
迫力ある構図として上手く表現されています

この小さな蓋茶碗の中に、嵐の一部分を切り取ってきたような意匠
一つの球体として器を鑑賞できる、蓋付きの茶碗だからこその表現だと思います

江戸時代の陶工さんはスゴイッ!
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by hayatedani | 2018-09-24 15:54 | 古伊万里 | Trackback | Comments(0)

染付ねじり唐草文蓋茶碗

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Imari ware / ca.1800s hand-painted the Twisting design

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ねじり模様に蛸唐草をアレンジした古伊万里の蓋茶碗です。
時代は江戸後期
江戸後期に流行した広東椀形の器です。

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薄手の作行ゆえ、椀の方に若干の歪みがありますが
蓋を乗せると収まりの悪いところも、手仕事のご愛嬌

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高台の中には「富貴長春」の追銘が絵付師の手で書き込まれています
達筆というよりは、絵付師がメモ程度にササッと書いたような字体に
親近感がわきます

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見込みの模様は何でしょうか
巴のようでもありますが

丁寧に縁には呉須で二重罫線が引かれています

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面白い意匠です
ねじり模様と蛸唐草の組み合わせは初めて見ました
染付の見事さというより、デザインの素晴らしさに魅かれます

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7客セットで買いました
これでまた置き場所に困ることに
そろそろ積み重ね状態になりそうです

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by hayatedani | 2018-07-28 22:01 | 古伊万里 | Trackback | Comments(0)

青磁釉くらわんか蓋茶碗

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Imari celadon ware / ca.1800s


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江戸中期 古伊万里の青磁釉蓋茶碗です
伊万里焼と言っていますが、作られたのは有田の隣町
波佐見で焼かれた「くらわんか」と呼ばれた厚手の器

伊万里ほど上手でなく
手に持つと底の部分に重みを感じます
これは造形の美しさと言うよりは、量産に適した削りの
コストダウンの手段なんでしょう
手間を省き 数を作る

中国の青磁と違い、波佐見の青磁釉は淡い黄緑色をしています

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呉須もまた精製された上質のものではなく
発色もいま一歩
特徴的なのは見込みの中央に描かれた五弁花
伊万里焼では当然、筆で描かれていますが
この器では、何だかボンヤリした模様が見えます

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蓋の見込みの中央から少しずれたところに描かれた五弁花の模様
これは「こんにゃく印判」と呼ばれる、江戸時代のスタンプのようなもの
で描かれたものです

俗にこんにゃく印判と言われていますが、もちろんこんにゃくを彫って印を作ったものではなく
皮のようなものに模様の印影を彫って、呉須を付けて押したものだと言われています

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すでに五弁花の原型を保った模様ではありません
これも量産のため
コストダウンの手段で使われました

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このように、決して手のかかった器ではありませんが
この素朴さが逆に味となって、この器の魅力となっています
くらわんかというのは、大阪の淀川を行きかう商人の大型船に
小舟に乗ってこの器を使って酒や料理を売った「くらわんか船」から
つけられたと言われています

富裕層ではなくて、庶民を対象にして作られた器
それゆえコストダウンが図られ、いかに多くの数を手間をかけずに
作れるかが考えられました

波佐見などで作られ、北前舟で全国に送られ使われた日常使いの器
それゆえ、蔵に入れられ冠婚葬祭の時だけに使われた伊万里焼ほど
数が残っていません

「無作為の美」とは民芸を表現するときに使われる言葉ですが
まさにこの蓋茶碗も無作為で数を作った、陶工たちの息吹が感じられる
そんな器です

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by hayatedani | 2018-06-17 17:33 | 古伊万里 | Trackback | Comments(0)

兎は吉祥文

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Imari ware / ca.1800s hand-painted the Rabbit design

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この器に描かれている白い物は何でしょうか
雪だるまのようにも見えますが、頭にはとんがった耳のようなものが

実はこれ 兎が描かれているんです

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月の陰影を杵で餅をついている兎に例えたのは、遠い昔の日本人だけでなく
中国ではもともと杵臼で不老不死の薬をついていたと言われています。

月の満ちては欠け、欠けては満ちる様子が、不老不死に結びついたように
兎は不老不死・再生の吉祥文様として中国で愛好され、日本でも陶磁器の意匠
等に多く見られるようになりました。

この蓋茶碗
秋草が生える藪の中で、薄ダミで輪郭を描いた兎が素朴に描かれていますが
ちょっと兎には見えないかも
兎は子だくさんと言うことで、子孫繁栄の意味もあるようです

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見込みには山でしょうか
何が描かれているか解らないような模様が


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でも、何んで後ろ向きから兎を描いているんでしょうね
良く見ると小さな目と髭が見えます
一目でわかる兎らしさよりも、兎の持つかわいらしさを狙っているんでしょうか
きっと何か参考にした図柄があるんだと思いますが

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でも どう見ても兎に見えない?
そうですよね

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by hayatedani | 2018-05-27 21:44 | 古伊万里 | Trackback | Comments(0)

色絵柴垣紅梅桜花文蓋茶碗

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江戸時代中期 1700年代の色絵蓋茶碗です




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薄手のちょっと深みのある器形
江戸時代中期の伊万里焼の良い表情をしています

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ちょうど柿右衛門様式から古伊万里様式に変容する時期の意匠です
白磁は乳白の濁し手ではなく、伊万里の少し青みのかかった磁胎

濃淡の呉須で水のながれを表わし
赤絵で繊細な柴垣を描いています

木の幹部をグレイかかった紫の顔料で塗り込んでいるのが、この様式の特徴
葉っぱも濃い緑と紫で表しています
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器の半分に桜花を
その半分に紅梅が丁寧に描かれ
所々に金彩で花びらを描いて、意匠に華やかさを演出しています


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見込みには菊の模様でしょうか
二重罫線で囲まれた菊花が丁寧に絵付けされています

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いまから250年程前に有田で創られた蓋茶碗
今の時期にピッタリの意匠ですね
いよいよ日本中がお花の季節を迎えます
250年前の同じ季節に思いを馳せて

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by hayatedani | 2018-03-17 23:59 | 古伊万里 | Trackback | Comments(0)