雨の模様は
2012年 07月 14日
福岡に住んでいたころ
数回経験した台風の威力には すこし驚いてしまったのですが
ここ数日の九州北部の被害には目を覆うばかりです
梅雨の雨 などと生易しいものではなくて
天から水が落っこちてきたようなもの
こんなことは無かった…
今回の集中豪雨を見ていると
今までの日本が変わってしまったかのような錯覚に陥ってしまいそうです
熊本の阿蘇 大分の日田 そして福岡の八女
目に浮かぶ美しい自然が
濁流の中に消えていく
悲しい光景がTVの画面に映し出されている
imariyaki ware / ca.1700
hand-painted rain design
本来 日本の雨というものは、情緒を伴って降り注ぐもの
それゆえ 雨のつく情緒的な言葉は数多い
五月雨
雨宿り
雨足
雨模様
霧雨
小夜時雨
小糠雨
通り雨
白雨 …
今回の九州の雨を表す言葉は 「経験したことがない大雨」 とか
情緒も何もあったものではない
18世紀に創られた 伊万里の茶碗です
この茶碗は 雨が降り注ぐ景色を模様にしています
雨の中には鳥が飛んでいます
稲光も見えますね
雨が降り注ぎます
情緒をもって
世界中でも 雨の景色を描いたartはあっても
雨自体を模様にしてしまったのは 日本の有田の陶工だけかもしれません
繊細で、極めて日本的な美意識が感じられる意匠ですね
今回の災害で亡くなられた多くの方々のご冥福をお祈りいたします
器に描かれた江戸時代の情緒ある雨が 過去のものとならないように
私たちが日々出来ることを 少しでも考えなくてはなりませんね
九州の大雨はひどかったですね。お隣の中国でも大雨ですし、ロシアでも洪水があって、世界はやっぱり何かおかしいと感じてしまいます!