<   2015年 05月 ( 8 )   > この月の画像一覧

ときどき漆

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漆の語源は「麗し」とも「潤し」ともいわれているそうです
漆の器というと すぐ思いつくのは味噌汁を飲む「お椀」
どこの家庭でもある器だけれども
安価な塗椀は漆塗りではなくて ラッカー系塗料で仕上げたものが多い
100均で売っているものはもちろんラッカー系塗料の吹き付け
よぉく見ると木地もプラスチックで出来ているものもある

これは漆器とは当然別物

でも、陶磁器の器もそうなのですが
100均で売っているもので十分
なんで普段使いに高い器を買わなくてはいけないの?
って思っている人が多い
そんな器の上にはスーパーで買ったお惣菜が似合いそう

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この深みのある艶やかな光沢は 漆器独特のもの
毎日使っていると この滑らかな手触りと掌の中の収まりの良さに
思わず嬉しくなる
これがきちんと作られた漆の器の良さ なんでしょう

きちんとつくられた漆器は、その作成に要する時間が長く
確かに良いのはわかるが 当然値段は「高め」

漆器を紹介した本などでは 一生使える漆器は決して高くないと書いてあるものが多い
でも椀が1客1万円前後と聞いたら、普通の人は買うのを躊躇してしまいます

そこで我が家は骨董の漆器を使っています

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一生使えるならば 中古で十分
それに 昔の職人が創った漆器は、本物の漆塗り
けっしてプラスティックにラッカーを吹き付けてつくったものではありません
しかも値段も安いのです


こちらのアンティークの向付
昔の職人さんが創った 技の冴えが光ります
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盛上げの漆絵は鷹と茄子
この取り合わせ
どこかで聞いたことのあるような

そう!一富士・二鷹・三茄子
お江戸の吉祥文が描かれています
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富士が描かれていないというあなた
器の端を見てください
しっかり富士山が見えているでしょう
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染付の伊万里との取り合わせも素敵です
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この漆の椀も面白いでしょう
この漆器には光沢も深みもありません
マットな景色に存在感が光ります
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器には松竹梅の模様が盛上げ漆で描かれています

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なにか備前焼の器の様にも見えますね
この重厚感から 手に取った時の軽さのアンバランスにビックリします

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この椀の蓋の裏には黒漆の上に 竹模様が描かれています
金粉を蒔くのを忘れたのか?
いや このマットな器の裏に金蒔絵は似合わないでしょう

この意匠は職人さんが考えた粋な設えなんだと思います

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今日の伊万里は 漆器の添え物
19世紀の古伊万里染付菊花文小皿です

たまには漆器も良いですよ
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by hayatedani | 2015-05-30 23:57 | クラフト | Trackback | Comments(2)

自転車部登場!

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はっきり言って 自転車にはあまり思い入れがないんだけれど
ちょっと流行っているし お天気の良い日に走ると気持ちが良いのもわかる

乗るだけで体が鍛えられる(けっして乗るだけではだめなのも知っているが)可能性もある
そんな会社の先輩と後輩と私
自転車でツーリングに という話だけでもう1年経ってしまった

しかし 今日 ついに実現!
自転車部 誕生なのであります

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思い入れが少ないために 日頃の鍛錬などまったくしていない私(先輩も)
最初から長距離などと 恐れ多いことははなから考えておりません
あくまで今日は 「走った」という既成事実を残すのが目的

多摩川沿いの自転車道を15キロほど3人で走りました

お天気が良くて気持ちがよいのですが
バイクと違って前掲姿勢で 足を動かさなくてはいけない
景色をゆっくり見る余裕もなく
私だけクロスバイクに毛が生えただけのGIOSでは
ほかの二人についていくだけでも 結構しんどかったのです

多摩川沿いの府中郷土の森でお昼を食べて
口っちゃべって帰路につきました

帰ってからの心地よい疲労感
これが自転車の楽しみかと思わずほくそ笑む私
けっこう満足な一日でした

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府中郷土の森博物館内にあった古民家です

体力勝負ではなく あくまでアカデミックな要素も含んでいた(と悔し紛れの一つも言いたい)
自転車部 第1回ミーティング
こんな緩さが長続きのコツかもしれない
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by hayatedani | 2015-05-23 23:26 | Trackback | Comments(2)

晴れた日は 藤野ぐるっと陶器市

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お天気に恵まれた一日でした
朝起きたらお日様の日射しが目に眩しい
湿度も低くて 爽やかな午前中
今日のスタートは陶芸教室です

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志野の白い土で銅鑼鉢を創っています
素焼きがあがった今日は 呉須で絵付けを行いました
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見込みに呉須を塗り込み
罫書いてススキ模様を描きました

呉須は一見 綺麗に塗られているようですが
焼き上がるとムラが目立つの慎重に塗り込みました

卦書いたのは秋の模様
ススキがたなびく空には トンボが飛んでいます

本焼きは還元焼成でお願いしました
染付絵が綺麗に発色してくれるとよいのですが

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そして午後はバイクで藤野へ
藤野で開催されている「藤野ぐるっと陶器市」
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この陶器市のお面白いところは
メイン会場を中心に開かれる陶器市ではなくて
藤野地区に点在する工房やギャラリーを「ぐるっと」巡りながら
お目当ての陶器や雑貨を選ぶというところ

通常は車で回るのですが 車が無い人はJR藤野駅から巡回バスに乗って回るという趣向

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山の中に点在するギャラリーは 森林浴を味わいながらの素敵な空間
こんな陶器市って ほかでは無いかも

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山の小道を抜けていくと

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素敵な工房やギャラリーが

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静風舎のテーブルコーディネイト
ここの作家さんは有田の井上萬二さんのところで修行された 白磁の作家さんです
素敵な白磁が割引価格で購入できます


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FOREST MARKET
いろいろな作家さんが出展されていました


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F’S gallery
古民家風のギャラリー
清々しい風が吹きぬけていきます
 
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お洒落なお母さん達に連れられた子供たちも とても楽しそうな そんな陶器市
なんだかとっても幸せな 気持ちの良い一日でした

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by hayatedani | 2015-05-17 23:23 | 陶芸 | Trackback | Comments(0)

陶印作品 これで完成!

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創りためた陶印も これで15個になります。
実際は人に創ってあげた陶印もあるので 総数はもう少し多いのですが


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陶印を創るたびに このBlogでアップしてきましたが
この陶印 写真で見ると大きくみえるのですが
大きさは4センチ×4センチの手のひらサイズ

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一つだけお披露目しても 小さくてインパクトに乏しい
それに 陶印って印影を楽しむということがもう一つの大きな目的

丁度 器本体の造形を楽しむだけでなく、
料理を盛って その盛り付けの美しさや食事を楽しむことに似ている

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ということで、陶印が5つ出来上がった段階で 最終的な作品として仕上げます
展示箱にいれて 印影を紙に押印して、その撰文を添えます
篆書体で書かれた文字は、漢字の解説文がなけれな読めませんし
漢字が解ると 詳しい解説が無くても、その意味がなんとなく解るのが「漢字」の力
 
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青磁釉枝垂れ桜文の陶印

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赤絵で交差文を描き 中央には花模様を添えました

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魯山人の糸巻文模様を参考に創りました

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鉄赤釉と染付のかけ分け模様
伊万里の「吸坂手」をイメージしました

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赤と白のコントラストが美しい印影と陶印の造形
これでいつでもお披露目できます

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by hayatedani | 2015-05-16 12:11 | 篆刻・陶印・書 | Trackback | Comments(4)

登り窯で焼きました

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春の登り窯焼成の作品をお披露目
以前の記事はこちら
春の登り窯焼成!窯出し

今回は志野土で抹茶茶碗を創りました
志野の白い土に黒化粧土を塗りこみ
一部 地の色を残して富士のお山を表現しました

釉薬は飴釉を全体にかけ
富士山の部分の釉薬を手で少し剥がしました

登り窯では焼成の際に 富士の部分を登り窯の炎が当たる方向に向けて置かれた結果
美味い具合に灰が自然釉となって流れました
なかなか良い景色です

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裏の部分はこんな感じ
裏側ですのでは灰が直接当たらず 表の景色とは趣が違います

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高台の部分です
赤と茶と白のグラデーション 綺麗な窯変をおこしています
このような風情は直接火で焼成する 登り窯でなければ表現出来ません

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こちらの抹茶茶碗も登り窯で焼成しました
しかし 他の作品の後ろに置かれたため
灰が直接当たることが無く
富士のお山も白いまま
使い込むうちに、こちらも風情が出てくるのでしょうか

もっとも この器でお抹茶をいただくことって
これから何回あるのか疑問ですが

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二つ並べると違いが良くわかる
同じように創って 同じ窯にいれても
これだけの違いが出るんです 奥が深い!
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こちらは、たたらで創った6寸皿
志野土に鉄絵で紅葉を描きました
紅志野釉をかけて 登り窯に入れました
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表面に灰が降った後が見えますか?
この煎餅のような土味の焼き上がりが 登り窯の魅力です

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今回の登り窯焼成
他の方の作品も ほぼ良い焼き上がりで
皆さんも嬉しそうでした

私も部屋に置いて 一人 悦に入っています
お抹茶を買って 久しぶりに一服 点ててみましょうか
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by hayatedani | 2015-05-10 21:16 | 陶芸 | Trackback | Comments(6)

北鎌倉の家 (笠間にて)

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連休最終日に出かけたのは 北大路魯山人旧邸「春風万里荘」


前回訪れた「武相荘」の主、白洲正子やその師匠 青山二郎より年上だが
ほぼ同時代を生きた魯山人

実際に青山二郎は当初 民芸派の柳宗悦に傾倒し
その後魯山人の取り巻きになった
その青山二郎の取り巻きになったのが 白洲正子

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北鎌倉の星岡窯にあった魯山人の母屋
戦後の財産税を支払うために、魯山人は土地込みでこの建物を売却
その後昭和40年に笠間に移築された
この母屋に寝泊まりしていた彼は その後同敷地内にあった慶雲閣に居を移した
その慶雲閣も平成10年に管理人の放火で焼失
関東近辺で残っている所縁の遺構は、北鎌倉にある登り窯とこの春風万里荘だけになってしまった
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同じ古民家といっても、武相荘は小作農家を改造したもの
春風万里荘は豪農の邸宅
規模や作りはまったく別物です

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でも 武相荘と違って春風万里荘には人の気配が感じられません
ここで魯山人が寝起きをした息吹が感じられないんです
それは生活を感じられる備品が何もないからかもしれません

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浴室に貼られた魯山人が焼いた織部焼きの緑のタイル
思わず手でスリスリしてしまった
はたから見たら ちょっと怪しいオジサン

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魯山人が設計した茶室です
星岡窯時代には、はなれにあった茶室
魯山人の安息の場所でした

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笠間の春風万里荘を出たあとは 益子の陶器市に向かいました
天気も快晴になり 暑いくらい
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陶器市は楽しいなぁ
大好きな器がこんなに沢山展示されていて
見ている人も楽しそう
でもなかなか購買意欲が湧くような器はありませんでしたけど

その後 バイクで益子の里山を走りぬけて帰路につきました
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実はこの帰りの里山を抜ける道が、私のお気に入り
陶器市を目的に というよりも
この道を走りたいがために出かけてきたといっても良いくらいです

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益子を1時半に出発して、いつものように下道で自宅まで帰ってきたのですが
地図も持たないツーリングで 結構道に迷った結果
自宅まで5時間もかかってしまった
久しぶりにバイクに長時間乗って疲労困憊になってしまったけれど
何だかとっても楽しかった かな?

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by hayatedani | 2015-05-07 23:14 | 風景・建物 | Trackback | Comments(3)

鶴川の家

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鶴川は武蔵国と相模国の境になるので
白洲次郎は自ら「武相荘(ぶあいそう)と呼んだ

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白洲次郎(1902-1985)と白洲正子(1910-1998)の住んだ家
「武相荘」に出かけてきました


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実は今日はバイクで益子の陶器市に出かけようと
昨日から準備をしたのですが、朝起きたら小雨が降っていて
天気予報も栃木・茨城方面は曇りの予報
遠出はあきらめて また布団に潜り込みました

昼近くまでうだうだしていたのですが
何だか天気が良い
今から遠出は無理でも 近場ならと
しばらく行ってなかった「武相荘」に出かけることにした

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鶴川にある「武相荘」は自宅から車で1時間ちょっと
前回きたのはずいぶん前で
しばらくぶりの「武相荘」 新しい駐車場も出来て、だいぶ小綺麗に整備された気がした

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母屋に入って感じるのは 古い茅葺の家の匂い
このような古民家に住んだ経験は無いのだが
この匂いと設いに 体の中に刻まれた日本人のDNAが反応してしまう
なんだかとっても懐かしい気持ちがする

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奥の北向きの6畳間は随筆家である正子さんの書斎
本に占領された部屋の窓際に 正子さんの文机がありました
電気スタンドに照らされた机上には何かの原稿が広げられ
今 まさに正子さんがそこに座って原稿を書いていたような
そんな気配が感じられました


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次郎さんと正子さんが 座ってお客を歓迎しているような古いデッキチェア
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次郎さんお手製の臼で作った郵便受け
「しんぶん」の文字もグッドデザイン!
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次郎さんの使った農機具の手前に 年代物の芝刈機が

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馬屋に置かれた戦前の車
何でも 次郎さんが若いころに乗っていた同型の車だそうです

何しろ次郎さん
80歳になるまでポルシェ911を乗り回していたというから驚きです
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白洲次郎の遺言書が展示されていました
いわく
「葬式無用」
「戒名不用」
たったこれだけ
次郎さん カッコいいねぇ

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ご自分の自宅を博物館のように公開することは
決して白洲正子の本意では無いと思います
でも 母屋に入った時の空気感は
この部屋で 確かに白洲次郎や白洲正子
青山二郎や秦 秀雄らの数寄者達が酒を酌み交わした
その息吹が感じられる

ここはただの建物博物館じゃ無くて
その時代を生きた白洲さんたちの空気感を共有できる
そんな稀有な場所なんだと気付きました
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by hayatedani | 2015-05-04 16:39 | 風景・建物 | Trackback | Comments(4)

SEIKO ロードマーベル 36000

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SEIKO ロードマーベル 36000という時計です
製造は1973年製
今から40年ちょっと前に造られました

アンティークというほど古くはありませんが
ビンテージ感は最高です

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ムーブメントはCal.5740C
セイコー社初の10振動の高精度モデルです
10振動というのは1秒間あたりの振り子(テンプ)の振動数
1秒間に10振動するので 1時間辺り36000振動
なので36000というモデル名がついています

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絹目のシルバーのダイヤルにアラビア数字のインデックスが素敵です
今から40年前のデザインですが
決して古さを感じさせない 優れたデザインです

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ロードマーベル36000の発売期間は1967~1978年
裏蓋に彫り込まれたナンバーで製造年月がわかります
最初の数字が「3」なので1973年製造
二ケタ目の「0」は10月製造を表わしています

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耳を澄ますと 10振動のムーブメントの鼓動が聞こえます
通常の時計の音は 「チッ チッ チッ」というふうに聞こえますが
10振動の音は「チチチチチ」と連続した音を刻みます
クオーツ時計の一秒間に一回動く あの無粋な動作音とはまさに別物
機械式の持つ 高級な機械の迫力と洗練さを感じます

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ドーム型のプラスティック製の風防も 良い雰囲気を醸し出しています
日本のデザインと技術力は40年前も素晴らしかったのです!

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by hayatedani | 2015-05-02 19:43 | 時計 | Trackback | Comments(6)