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だから伊万里は面白い!(伊万里染付6寸)

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Imari ware /19-18th century hand-painted Cherry blossoms in running water design

古伊万里と呼ばれる江戸時代の染付磁器
有田や波佐見、塩田、三川内など 肥前の各地で作られ
伊万里の港から舟積みされたから「伊万里焼」

今から13年前 転勤先の福岡の職場の近くにあった骨董店で初めてimariを見た
濃淡の呉須で描かれた 染付という意匠の伊万里焼
けっこうなお値段で とても手が出なかったのですが
江戸時代の骨董品にしては とても洗練されている意匠だと思った

最初に手に入れた伊万里は 印版手と呼ばれる明治時代の版で絵付けをした
いわば当時のプリント物
それでも100年以上経った磁器の器は
現在のすっきりしすぎた「セトモノ」より存在感は上だった

佐賀県有田にある九州陶磁文化館で「柴田コレクション」という
古伊万里の一大コレクションを見てから 古伊万里の器が頭から離れなくなった
なにしろ江戸時代 伊万里焼を焼いた遺構が 住んでいた福岡の家から
ほんの1時間ちょっとでゴロゴロしている

古伊万里に完全に魅せられてしまった

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染付扇流水桜花文6寸皿
濃淡の呉須が綺麗です
扇の図柄を三方に配して、流水に桜花を散らしています
とてもメリハリの効いて それでいて情緒的な絵柄ですね
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高台内には「大明成化年製」の追銘が手慣れた筆記で描かれています
そして焼成で見込みが落ち込むのを防ぐために、道具土で針支えを行った跡が残っています
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皿の見込みの中央には「五弁花」と呼ばれる18世紀の伊万里特有の模様が描かれています

こちらの伊万里の図柄も面白い
一見洋風皿のような意匠
この模様をどう見るか
見る人の想像力を掻き立てますね

Imari ware /19-18th century hand-painted Peony blossoms in running water design
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私の見立ては
これも流水文に牡丹の花を散らした模様ではないかと思います
牡丹の花がリボンの様にも見えますね

200年前の江戸時代の陶工が考えたのか
はたまた 当時の商人が売れる意匠の絵見本を持ち込んだのか
想像は膨らみます
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だから 伊万里は面白い!

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by hayatedani | 2013-10-26 15:48 | 古伊万里 | Trackback | Comments(6)

陣馬山麓アトリエ展

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雨の日曜日
毎年恒例の「陣馬山麓 アトリエ展」に出かけてきました。
秋晴れの陣馬高原を期待していましたが
初日の日曜日は あいにくの雨模様
しかし 来週の週末は都合がつかないので、出かけるのは今日しかありません

まぁ なんとかなるでしょうってことで

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この企画展は 秋のこの時期に、陣馬山麓近隣で創作活動を行っている
工芸作家さん達の作品展
その中心になっているのが 長野修平さん率いるNature Works
今回のお目当てもコチラ

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そとから見てもアトリエは見えません
でも煙が上がっている場所がその場所

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ステンドグラス作家の長野深雪さんの作品

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実はうちの奥さんが昨年のアトリエ展で見た長野深雪さんのライトがどうも気になっていて
どうしてもクリスマス前に手に入れたいということで
今年の展示会を楽しみにしていたのです
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この中の一つをめでたくご購入です

その他の作品
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他の作家さんの陶芸作品
そば猪口が可愛いですね
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我が家に収まったステンドグラスのライト
作品名は「野原」というんだそうです
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まだ10月だというのに 気分はすっかりクリスマス

長野深雪さんが家の外に広がる野原の情景を見て作ったそうです
素敵です
高さ13.5センチ(台座含む)
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by hayatedani | 2013-10-20 21:08 | クラフト | Trackback | Comments(2)

竹柏勁心 刻ってますぅ

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吉永隆山先生の社中展が 来年の1月に予定されています
その社中展に出品する篆刻作品を刻っています

過去の記事はこちら
「竹柏勁心」

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印材の大きさは6cm×6cmの青田石です
印を刻っているので 当然字は逆字で描いてあり
だから余計 何が書いてあるのか解らないでしょう
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竹柏勁心と描いてあります
意味は「霜に萎まぬ竹や柏のように 強い心」

でも篆刻の選文は あまり意味を重視していないようです
それよりも 字の「つくり」の面白さと「組合せ」が重要だとか
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今回は ついでに陶印も同じ選文で刻りました

ついでに刻ったわりには 結構うまく刻れた
と思っているのは自分だけですが
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陶印は これから意匠を考えて本焼きにうつります
こんどはどのような意匠にしようか悩ましいところ
でも それが楽しみなんですねぇ これが 
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by hayatedani | 2013-10-19 22:51 | 篆刻・陶印・書 | Trackback | Comments(2)

魯山人陶印「光風霽月以待人」

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魯山人陶印の模刻「光風霽月以待人」が出来上がりました
前回までの記事はこちら
「魯山人陶印!」
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魚の造作部分に呉須を塗り
全体に黄瀬戸釉をかけました
魯山人の本歌陶印の色合いに似せました

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印というのは 朱が入ると映えますね
朱が入らない陶印は 言ってみれば「ただの陶器」の作り物
それが印泥をつけて 白い磁胎に朱色が入るだけで印の顔になる
陶印を創った時の一番の楽しみは 
この最初に押印するときのトキメキ感かもしれません

ちなみに 魯山人が創った本歌がこちら

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北大路魯山人 作 「光風霽月以待人」 昭和元年-8年頃

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ところで「光風霽月以待人」とはどのような意味合いなのか?
それが浅学な私には、まったくわかりません
字から判断すると 爽やかな風がたなびく月夜に 親しい人を待つ
みたいな意味合いなんでしょうか

どちらにせよ 風情のあるお言葉ですね

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by hayatedani | 2013-10-13 20:52 | 篆刻・陶印・書 | Trackback | Comments(2)

江戸染付の蓋茶碗(こと始めは)

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アンティークと呼ばれるものは 概ね100年以上経過したものという定義があるらしい
古伊万里と呼ばれる江戸時代の磁器は、お値段お手頃でも れっきとしたアンティーク
この蓋茶碗だって しっかり150年は経っている

江戸時代の伊万里焼の存在を始めて知ったのは
10年ほど前に単身赴任した福岡でのこと
正確には隣の佐賀県の有田で入った 陶磁器の資料館で

その手書きの染付の器に すっかり魅入ってしまった

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この蓋茶碗は 福岡の筥崎宮で開かれていた蚤の市で手に入れた
たしか岡山県の業者さんだったと思うのですが
三つあって そんなにはいらないから 二つだけ購入しようとしたら
せっかく三つ揃いなんだからって 安くするから買ってよって

と~てもリーズナブルなお値段でいただきました
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お値段はリーズナブルでも 江戸時代の職人さんたちの仕事は素晴らしい
薄ダミで薄暮の空を表現して、その中を雁が並んで飛んでいきます
水辺には葦が茂っていますね
この丸い器の中に 自然の情景を見事に表現しています

この器に絵付けしたのは 名のある作家さんでは無く
ただの陶工
それも ダミを塗る仕事は女性が担当したという話もあります

中国でも韓国でもなく
このような日常の器にこれだけの情緒を自然に描き切る
日本人だからこそできた世界観です
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そして こちらの蓋茶碗は稲穂の収穫
普通 この絵柄には鎌や鳥が描かれているのですが
この器には稲束しか描かれていません
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この繊細な染付の絵付けはどうでしょう
熟練した伊万里の絵付け士が、毎日何十という器に絵付けをし
その無作為の手慣れの中で初めて描ける稲穂の模様です
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稲束が弾ける様に いく束も描かれています
収穫の喜びを器全体で表現していますね

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蓋の裏と茶碗の見込みにも稲束の模様
ご飯を食べる器の模様で これくらい相応しい模様もないですね
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こんな染付の絵柄を描けるようになりたいか?
いえいえ 描くより見ているほうが身のためのようです
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by hayatedani | 2013-10-12 23:37 | 古伊万里 | Trackback | Comments(0)

備前の角皿!魯山人の陶印! 

陶印作成の続きです
前回までの記事はこちら  「魯山人陶印」

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まず 朱文で作成している「陶」という字を刻ります
一緒に移っているKENKOマークの道具は ルーペです
最近すっかり老眼が進んで
細かい作業が難しい
拡大鏡は心強いtoolです!

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そして白文「光風霽月以待人」 

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一応 刻り終えて今日は釉薬をかけました

今回は魯山人陶印の写しということで
本歌があるので、それらしく創ってみました
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魚の部分は呉須を塗り込みます
呉須を塗った後に 黄瀬戸釉をかけました
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そして白文の方も 本歌に似せて
呉須で線文を書き込みます
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呉須で線文を描いた後は
透明釉をかけて還元焼成でお願いしました
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こちらは10月末に予定されている陶芸教室の登り窯焼成の作品
備前の土で角皿を作っています
過去の記事はこちら 「秋の登り窯の季節です」

素焼きがあがっていたので 今日は釉薬をかけました
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本来 備前という土は釉薬をかけない「焼き締め」という焼成方法をとります
窯の火で現れる「窯変」と薪の灰が自然釉となって流れる姿が備前の見どころなんですが…

作為丸出しのわたしは、この景色を作ってしまおうと考えました
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備前焼きでボタ餅と呼ばれる 丸い模様
本来これは 器を重ねて焼くために道具土を置いて焼いた「跡」なんですが
現在の備前焼きでは 焼くときに、作為的に道具土を置いて
この模様をつくっているんですね

でも今回は型紙を置いて 松灰の釉薬を吹き付けました
吹き付けた後で型紙を外すと
こんな丸い模様が現れます
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焼くときに道具土を置いてボタ餅を作ろうとすると
当然 道具土を置いた部分は備前特有のダークな茶色ではなく
生焼けのような白ちゃけた胎土となってしまいます

これが嫌なんです 私

なので、道具土を置かないで 釉薬で最初から丸い模様をつけて焼いてしまおうと考えました
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でもねぇ
登り窯の中で 吹き付けられた自然釉が丸い模様の部分に降ってきたら
この目論見は台無しになってしまうのですが…

最後は結局 登り窯の火の神様にお願いするしかないのです
さて うまくいきますか?
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by hayatedani | 2013-10-06 21:37 | 篆刻・陶印・書 | Trackback | Comments(4)