箱が大事
2017年 11月 18日
創りためた陶印が5つ揃ったので
今日は箱を設えました
ボックスフレームという木製のケースです
素の状態はこんな白木の枠の箱
これでは風情も何もないので、エージングを行って古色を演出
最初に薄く解いた墨汁を擦りつけます
濃い墨液を塗ると取り返しのつかない状態になってしまうので
キッチンペーパーで少しづつ擦りこみます
マホガニーのニスを同じくキッチンペーパーで擦りこみます
筆で塗り込むと艶が出すぎてしまうので
あくまでペーパーで擦りこんで色付けするのがコツ
半マットな状態がベストです
次にマホガニー1色だけだと色に奥行きが出ないので
もう1色 ローズウッドのニスをさらに擦りこむと
こんな感じ
どうですか?
新品には見えないでしょう
さっそく陶印を入れました
1954年5月にフランスを訪れた北大路魯山人はピカソを訪問し
自分の作品を贈りました
りっぱな桐箱に入った陶芸作品を
しかし贈られた作品ではなくて、その桐箱の木肌の滑らかさに魅了されたピカソは
桐箱を撫でまわしながら歓喜に上気したそうです
それを見ていた魯山人は耐え難くなりピカソに怒鳴った
「箱じゃない、箱じゃない、この間抜け。私の作品は箱の中だ。」と
陶印は4センチ角の小さな作品です
一つでは小さすぎて人に見てもらえる作品にはなりえません
でも、このようにいくつか揃えて、印影を飾って、刻った言葉を表記すると
こんなに素敵な作品になります
それには箱が大事
魯山人の桐箱は京都の指物師、前田友斎が手掛けたものだそうです
私のアマゾンで買った箱は、ピカソを上気させるほどの出来ではありませんが
自分では十分納得できる出来だと思っています
いつかまたどこかの展示会でお披露目出来ればと思っています。
ただ今私も桐箱とウコン布を探しているところで、
疾風谷さんのお仕事を羨ましく拝見しました。
立派な箱に並んで、貴重な作品の一点一点が益々輝いていますね!!
桐箱とウコン布ならこんなサイトがあります。
1級品とは言えませんが、日常使いなら十分。
私も時々使っています。
http://www.tougeishop.com/products/list.php?category_id=230
http://www.kirihako.com/EcCube/