掘出しモノは
2012年 02月 25日
別に掘出しモノを探してウロウロしているわけではないのです
その証拠に、地元の骨董市に出かけたのはお昼を食べてちょっと休んだ後
2時を回っておりました
本当に掘出しモノを探して骨董市を歩くなら
業者が品物を並べている、朝の6時や7時に出かけていかなくては
そもそも そんな早起きはしたくありません
だいたいいつも行く骨董市には
どの業者にどんなものがあるか?
おおよそ想像できますし
出かけても どうしても欲しいというようなものには、めったに出会えません
それではなんで出かけるのかというと
今日は何かあるのではないかっていう ほのかな期待と助平心からなのか
まあぁ 私の日常の「決まり」みたいなものなんですね
出かけないと気が済まないのです
それでも こうやって古いものを見ながらウロウロするのがとても楽しい
人がどんなものに興味をもって買っていくのか
野次馬根性で話に聞き入ってしまうのです
しかし今日は…
出だしからマズイものを見てしまった
鍋島焼の5寸皿の5枚組だあぁ
いわゆる天保鍋島と言われる、後期鍋島の菊花文5寸皿
この菊花文鍋島は、割合市場に流通しているものですが
いくら後期といえども日本で唯一の官窯 腐っても鍋島 ですから
いつもお値段はそれなりのものが付いております
値段もおおよそ想像付きます
私 高いモノは買わない(買えない)主義!
それですから 一回目は目配せしながら通り過ぎました
他のお店を見ながらうろろしていても
気持ちは先ほどの鍋島焼のことばかり
一回りしてきてから さっそく先ほどのお店へ
他の人に買われていなければ良いのになどと
値段のことは棚に置いて、気持ちはすっかり買う気満々
まあ 値段が高ければ買えないわけだし
こんな言い訳をつぶやきながら手に取りました
5枚のうち 1枚にはニュウ(小さなひび)がありましたが、残りの4枚は完品
値段が書いていないってことは これは高そうだとおもっていましたが
どうも無造作に置いてあるのが気になるところ
業者のおばちゃんと話しながら
盛んにこれは 鍋島なべしまと連呼していて
これは良いものだと勧めますので
それで いくらなの? って値段を聞きましたところ
あれっっと思うほど安価な値段
この人 この器 解ってんのかなぁ と思いながら
内心 はやる心を抑えながら値段の交渉開始
いくら安価とはいえ 言い値で買わないのが骨董市の良いところ
5枚でいくら?から始まって
一緒にあった平戸焼の鍋島写しの色絵皿(これも普通なら良い値段)を一緒にしてもらい
6枚で超安価で購入しました
業者のおばちゃんも喜んで売ってくれましたので
双方 めでたしめでたし
けっして私が騙した訳ではありません
器だって 解っていない人よりも解っている人の所にある方が良いに決まってます
でしょう~
一緒に買った 平戸焼
色絵石榴文5寸皿
これもなかなか良いでしょう
おばちゃんはこちらも鍋島焼と言っていました
こちらの方が高いのよ とも
一見鍋島焼の形式をとっていますが、これは平戸焼の鍋島写し
高台の窯印と裏の唐草つなぎの書き方が、平戸焼特有のものです
hiradoyaki ware / ca.1800s
掘出しものは探していないと云いながら
今日はしっかり掘出しモノをゲットして
何か凄く得した気分で骨董市を後にしました
今年は春から 縁起がいいぃ~
飽きることのない図柄、後ろ髪を引かれたのが解ります。
平戸焼の彩色もシンプルでいいなぁ、浅鉢の曲線がやわらかで
朝の寒い空気の中ではなく、暖かな午後に6枚のうつわたちが呼んで
くれたんでしょうね。
しかし器はシンプルであればあるほど自分は美しいと思ってしまいます。
最近、、毎週末のように地元の神社に行きます。心が落ち着きますね。パワースポットとでも言うのかもしれません、こういう場所を。決して新宿やら渋谷だけではないのですっ!
鍋島の染付は普通の伊万里より、上手とされています。
この器のもう150年程遡った盛期の鍋島は、それはそれは素晴らしいデザインと絵付けに感嘆しますよ。
w-scarecrow さんが言うように
器に呼ばれてしまったのでしょうか…私
本当に解っているのかどうかはわかりませんよ
基準はあくまで 好きか嫌いか 古いか新しいか
そんな所じゃないでしょうか
この鍋島菊花皿も一般には江戸後期の鍋島と言われていますが
私はこれも平戸焼じゃないかと少し思っています
まあ どちらにせよ器の魅力が変わるわけではないのですが