金襴手の器
2011年 10月 22日
伊万里の色絵と言えば柿右衛門
金襴手というのは、その柿右衛門様式に続く、染付・色絵併用の色絵磁器をいう
柿右衛門様式の色絵は、1670年~80年ごろに見られるような乳白色の素地(濁手)に
赤、黄、緑、青などで上絵付けされた空間を利用した絵画的な構図の作品をいう。
これに対して、金襴手(きんらんで)様式は、染付による藍色と上絵付けによる
赤や金を組み合わせた配色をとり、細かい地模様を窓絵の外側や区画割の
中に書き込む構図が一般的
柿右衛門と比べると、器全体に地模様を描きこみ豪華絢爛さを狙う
柿右衛門様式に比べると、少しばかり繊細さに欠けるきらいはあるようですが
今に続く有田焼の一つの特徴を確立した様式である
高台の中には「富貴長春」の銘があります
器の内側にも手抜きはありません
黒で輪郭線を描き
透明な緑釉で葉模様を描いています
蓋と椀の見込みには、牡丹の花模様を赤絵で描いています
とても細かい手仕事
この器は、飯茶碗というよりは
蓋付の懐石向付けとしての器として使われたのでしょう
少々濃い目の染付で枠取りした窓に
赤絵と金彩で唐花を描いています
窓の外側に葉唐草模様を濃密に
好き嫌いは別にして
江戸時代の「わびさび」とは対極にある「こってり派」の江戸模様
元禄時代に華開いたバロック文化とも言えますね
さぁて あなたのお好みは? どっち!
色絵唐花文蓋付向付け
1690年~1710年代
金襴手(古伊万里)様式の器
売るときには事前にご連絡ください。
こちらもフランスでアスティエの器を買って帰ったりして食器棚購入すべきか検討中です。
来月の登り窯の結果楽しみにしています!
伊万里は偉大です。