柿右衛門
2011年 06月 13日
imariyaki/kakiemon ware / ca.1700
柿右衛門といえば、あの東インド会社を経由して、ヨーロッパに運ばれ
王侯貴族を魅了し、マイセン窯に大きな影響を与えた色絵磁器
そんな印象を持つ人も多い
余白を多用し、中国の様式美から離れ
極めて日本的な繊細さを持つ色絵磁器
それが柿右衛門
柿右衛門を創ったのは、今でも佐賀県有田にある酒井田柿右衛門窯の作品と思っている人も多いが
柿右衛門とは特定の窯元の作品を言うのではなく、延宝年間(1673~81年)に成立する
古伊万里の一様式のことを言う
柿右衛門窯が中心になって作陶されたことは言うまでも無いが
その時期に有田の皿山で創作された、繊細な絵付けの磁器を総称する
その中には勿論輸出された、あの色絵磁器もあるが
国内向けの、染付の優品も多い
この茶碗
柿右衛門様式が終焉に近づきつつある、1700年前後に創られたもの
七宝並文の染付蓋茶碗
もちろんこれも「柿右衛門」…様式の作品
高台の中には 300年前の有田の陶工が書いた「大明年製」の文字
釉薬に封じ込められた気泡には、300年前の有田の空気が残っています
今創っている陶印の印稿
今回は魯山人の著書の中に出てきたことば
「陶心」を選文した
300年前の有田の陶工に思いを馳せて
その作陶に向う純粋な心意気を 少しでも感じたい
そんな気持ちで
しかしそれにしても、長い間よくもったものですね、人間は及びません(汗)