龍文堂の鉄瓶
2009年 02月 01日
本当に人間の物欲は止まるところを知りません
他人事のように言いますが
マイブームの鉄瓶の数が少しずつではありますが
着々と増えつつあります
本当に良いものは、財政的にもなかなか手が出せませんが
日々 鉄瓶の鉄味を摩りながら、悦にいっております
(はっきりいって ほとんど病気です)
さて 最近手に入れたのが写真の2点
一つは古伊万里の蓋茶碗
図柄は稲束と鶴?鷺?の模様
器の形態は 広東椀といわれる江戸後期の椀形です
古伊万里といえば佐賀県有田で江戸時代につくられた磁器の器です
私が福岡に住んでいたころ、有田に向かう道中で まさにこのような風景を
よく目にしました
稲刈りをしている傍で 何羽かの白鷺がこぼれたお米を啄ばんでいました
200年前の佐賀でも同じような風景を陶工たちは目にしていたのですね
さて お隣の黒々とした鉄瓶のご紹介
現在 鉄瓶といえば 東北岩手の 南部鉄瓶が有名ですが
昭和の始めごろまで、鉄瓶は関西でも作られていたのです
特に京都でつくられた鉄瓶は 煎茶や茶道のために作られたものが多く
生活の道具として作られた南部鉄瓶とは出生が違うのです
蓋や取っ手は南部鉄瓶が鉄でできているのに対して、京都や関西で作られたものは
真鋳で作られ、取っ手には金飾りがつけられています
良いものは胴体の部分に象嵌が施され(象嵌の鉄瓶で有名なものが、滋賀の亀文堂です。
今ではコレクターズアイテムとしてお値段も桁が違います)
まさに京文化の一つのアイテムとして存在していました。
その中でも有名なものが京都の龍文堂でつくられた鉄瓶です。
私が買えるものですから、値段はたいしたことは無いのですが
家の中でも、その存在感はなかなかのもの。
鉉は一見 ただの鉄棒を加工しているように見えますが、実は平らな鉄板を丸めて中を中空にしています。袋鉉(ふくろづる)といいます。
鉄瓶との付根の細さを見てください。
この袋鉉(ふくろづる)、鉄瓶を沸かしていても あまり熱くならない優れものです。
昔の職人の手技には 本当に頭が下がります
ところで 鉄瓶 いったい何個集めたのかというと
これを含めて まだ6個です
まだまだ と言いたいところですが
うちの奥さんの堪忍袋が切れないうちに
このくらいにいたします
じつは もう半分切れてます……。
奥様の心中お察し申し上げます。
昔の職人さんの仕事はすごいですね。作品一つ一つに愛情や気迫を感じます。
鉄瓶、本当に日本的な工芸品ですよね。
最近は中国で、お茶をのむ時に日本製の鉄瓶が大評判何だそうです。
そのうち、良い鉄瓶は日本から無くなってしまうかもしれません。
大切にしたいですね。